Faaez Samadi
2019年3月14日

CFOとマーケターの間にあるギャップ

チーフ・フィナンシャル・オフィサー(CFO、最高財務責任者)とチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)はいまだにやや相互不信で、企業目標に対する食い違いもあるが、そのギャップは縮まりつつある −− Campaignとカンターによる共同調査でこのような結果が出た。

CFOとマーケターの間にあるギャップ

企業の財務部とマーケティング部との間にはまだ複雑な問題があるが、改善の兆しは見られる −− Campaignとカンターによるマーケティングビジネスに関する調査結果がこのように出た。

二つの部署の足並みの乱れは依然大きな問題だ。それを最も顕著に表す数字は、「財政目標に関してマーケターと十分に協調できている」と答えた財務責任者がわずか25%だったことだろう。マージンが減り続けるなか、ROI(投資収益率)は常に役員室で話題となるテーマで、マーケターにとっては悩ましい結果だ。

調査結果を見ていくと、楽観的要素もある。回答者のうち45%は財政目標で「マーケターとまあまあ協調できている」と答えた。それでも15%は「あまり協調できていない」とし、更には「2年前よりも協調できている」と答えた者は15%にすぎなかった。この2年でデジタル広告分野は大きく変化。両者の協調が進まないのは、多くのマーケターが戦略面と投資面(これはより重要だ)で財務部の信用を得られるようもっと努力すべきことを表す。

財務責任者が抱く懸念をより反映するのは、55%が「全ての調達はコスト管理のため、最初からマーケティング投資に含まれるべき」と考えていることだ。「調達」という言葉が出ただけでほとんどのマーケターや広告代理店はうめき声を上げるが、ROIや効率性に責任を持つ部署としてCFOがマーケターにも「買い物カゴ」の責任を取ってほしいと考えるのは想像に難くない。回答者の80%はCMOがマーケティング予算に関して「部分的な権限を持っている」と答え、20%は「全権限を持っている」と答えた。

楽観的側面も挙げてみよう。財務責任者の75%が来年度のマーケティング予算は「今年と変わらない」と答え、20%は「増額する」と回答。これはROIや財政目標でいまだに食い違いがあっても、彼らの大多数はビジネス成長のためにマーケティング部を信用していることを示す。

マーケティング及び財務部のテーマとして関連するものは効果測定だが、財務責任者の多くがマーケティング測定基準がビジネス成果にどのように結びつくのか理解していなかった。だが回答者の55%はマーケティング効果の測定基準に満足しており、マーケターはCFOが納得するビジネス効果測定法を重視し、データやアナリティクスの活用を向上させていることは明らかだ。

更に「企業目標を総合的に達成するため、マーケティングにどれだけの価値を見出しているか」との問いに対し、「極めて」と答えた者は50%、「まあまあ」が50%と半々に分かれた。これは特に素晴らしい結果ではないかもしれないが、財政責任者の半数がマーケティングを信用していることは、両者の関係を改善させる上で大きな要因となろう。

それでも、財務責任者のマーケティングに対する信用度は極めて高いという状況からは程遠い。以下のような調査結果も出ている。3分の1以上(35%)の回答者がマーケティング目標は「前会計年度で不十分」とし、20%以上は回答できるだけの情報がなく、マーケターは「自分たちの価値をCFOに証明するためもっと努力をしなければならない」と答えた。

(文:ファイズ・サマディ 翻訳・編集:水野龍哉)

関連する記事

併せて読みたい

6 時間前

事業獲得に重要なのはマーケティングか、それとも営業か

どのエージェンシーも新規事業の獲得に躍起だ。だがそのプロセスで、確立していたはずの優位性を失ってしまう危険性があると識者は指摘する。

9 時間前

マーケティングで優先すべきは、正しいことよりも興味を引くこと

広告制作の際には、正しくあることよりも注目を集めることを優先すべきだ。たとえそれが一風変わった奇妙なものに感じられるとしても。TBWAメルボルンのザック・マーティン氏は、このように述べる。

2025年3月28日

世界マーケティング短信:VML&Ogilvy Japanが共同CEO体制に

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2025年3月27日

広告業界における中年期のパラドックス ――パーティーには年を取り過ぎているし、去るにはまだ若すぎる――

いくらアディダス(Adidas)のサンバを履いても、ボトックスを打っても、マイクロインフルエンサーやAIが検索に与える影響について助言する適任者ではなくなったという事実を、隠しきれなくなる時が来るだろう。広告業界における高齢化の現実と、それでもまだ辞めていない理由について、アリソン・マッキノン氏が語る。