* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
“「勝てないなら、勝つ」 −− この刺激的なコピーは、ナイキの新しい広告だ。DEI（多様性、公平性、包摂性）の撤回（決して『終焉』ではない）を進めるトランプ氏に対抗するこの広告は、極めて優れたものだと思う。
トランプ氏がホワイトハウスで執務を始めてからまだひと月余りだが、彼が繰り出す大統領令はすでに世界を混乱に陥れている。特に「違法な差別を廃止し、実力主義の機会を回復する」という法令は、企業のDEIに関する取り組みへの罰則も含まれ、すでに米英の企業に影響を及ぼしている。
これは包摂性を否定するトランプ氏のレトリックの強化にほかならないが、その骨子となる「能力優先主義」は、きちんとした検討が必要だ。
能力主義は一見、誰もが賛同できるものだろう。大統領令が求める「能力と努力、決断」は、企業が人材に求めるものでもある。私も、そうした資質に長けた人たちと一緒に働きたいと願っている。
しかし「文脈」なしで能力について語れば、意味するところは「目に見える結果」になってしまう。
能力を示す目に見える結果とは、受賞歴や評価の高さ、プラットフォームでの存在感の大きさなどだろう。こうした結果が素晴らしいデザインやコピー、優れた思考といった非凡な才能に基づくのなら、それは正当性がある。だが我々の業界では仕事のほとんどがチームワークであり、その一員になるには才能以外にタイミングや人脈、友情、運など様々な理由が存在する。
さらに能力主義には厳然たる事実、または理念として「流行り廃り」がある。
英国の社会学者マイケル・ヤングの著書『The Rise of the Meritocracy（能力主義の台頭）』（1958年）では、能力主義が社会風刺として描かれている。だが政治家やビジネスリーダー、教育者たちはこの皮肉を読み取らず、彼の考え方を実践してきた。豪州の教育学者ディーン・アシェンデン氏はインサイド・ストーリー誌に寄せたエッセイ「能力主義の没落」で、能力主義の明白な課題を次のように書いている。「能力主義が絶え間なく平等と機会を語ることで、自分が満足のいかない人生を送っていると考える人々は、それが自分のせいだと納得してしまう。能力主義は、社会における強力な正当化装置なのだ」
つまり成功していようがしていまいが、その要因は個人の主体性であるかのような幻想を生み出すのだ。能力が優位性から生まれないのであれば、それは1つの評価基準でしかない（それは間違っていない）。
今では撤回されてしまった、リンドン・ジョンソン大統領が60年前に発令した反差別法11246。しかし我々は、再び振り出しに戻ることはないと信じなければならない。
英国の調査報告書を見ると、我々が多少なりとも進歩していることがわかる。英国のエージェンシーでは経営幹部の約40%を女性が占め、約4分の1は白人ではないバックグラウンドを持つ人々だ。確かに性別や人種による給与格差は恥ずべきことだが、我々はその現実を認め、是正するために何をすべきかを理解している。そして、それを実現できる力のある人々も、積極的に是正に取り組もうとしている。
DEIは今、言葉としてもアプローチとしても突き上げを食らっている。しかし我々の会社も仕事も、多様性のある方が良い結果を生み出すという事実は変わらない。
DEIが能力の劣る人材を増やしてきたという考え方は全く当たらない。むしろこれまでの硬直した社会システム、そしてその解体に予想以上の時間がかかっているため、膨大な数の優れた才能が依然として見落とされている。
だが既存のシステムも崩壊しつつある。状況は変わり始めているのだ。今は諦めるときではなく、力を表に出すべきときだ。DEIを「限界のある言葉」として捉えるのはやめよう。
勝てないなら、勝つまでだ。
能力主義は単にトランプ氏の切り札ではない。「野心」や「指導者らしさ」といった言葉同様、今一度見直す時期に来ている。人材の採用・重用には厳格な姿勢で臨もう。人材を採用する際は、あらゆる人材を調べたと納得がゆくまで結論を出すのはよそう。そして、陽の当たらない場所にいる人々にも目を向けよう。優れた人材を語るとき、それが一面的なものであれば、我々自身もそうなってしまうことを自覚しよう。
我々が会社の施策や誓約、あるいはアワードの応募書類に書くような事柄を、実行に移そう。そうすれば状況はより迅速に、より強い意志の下で変わり、米国で起きている時代からの逆行に対抗できるだろう。どうすれば競争力と成長を高める人材を集められるか。そのためにすべきことを我々は既に理解している。2025年は努力や目標を掲げるのではなく、行動を起こす年なのだ。
ジョー・アーデン氏はAMV BBDOの次期グループチーフストラテジーオフィサー。
