今年の同アワードで受賞した日本企業は、エデルマンと電通PR、そして電通だった。審査を行ったのはアジア太平洋地域の様々な国々から集まった、エージェンシーやブランドの要職にある70名の「コミュニケーション・プロフェッショナル」たち。
エデルマンは日本と韓国における「PRコンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。デジタルコミュニケーションにおける顕著な活動と、PRをクリエイティブかつマーケティング志向に変えたことが評価された。
個別のPRキャンペーンで受賞したのは、カンヌライオンズのような世界規模のアワードでもそうであるように、PRエージンシーだけとは限らない。電通は不動産賃貸サイト「グッドルーム」の「同棲解消ホケン」で、日韓の「コンシューマー・ローンチ(消費者向け)・キャンペーン・オブ・ザ・イヤー」に。これは同棲をためらう未婚のカップルを後押ししようというもので、同サイトで部屋を見つければ、同棲を解消した場合に見舞金がもらえるというユニークなもの。
電通と電通PRは日韓における「PRキャンペーン・オブ・ザ・イヤー」で金賞も獲得。対象となったのは、人気の旅行先とは言い難い北秋田に外国人観光客を呼び込もうというキャンペーン。秋田犬によるアイドルグループを結成して映像化、その結果8千人が訪れた。もちろん馬鹿げたアイデアに聞こえるが、犬たちの可愛さからか、この企画は奏功。
銀賞は「Second Life Toys 〜 おもちゃの移植手術」(Campaignは昨年12月、このキャンペーンを2016年の最も優秀なものの1つに選んだ)とロッテの「ミスター・スニッフ(Mr. Sniff)」で、共に電通が手がけたもの。全受賞者と審査員のリストは、こちらからご覧ください。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)