
WPPは年次報告書で、マーク・リードCEOに昨年の年収としておよそ260万ポンド(約3億5000万円)が支払われたと発表した。
年収に含まれるのは97万5000ポンドの給与、130万ポンドの短期インセンティブ、7万1000ポンドの長期インセンティブなど。
2019年のWPPの純売上高は3年連続で減少し、前年比1.6%減。だが、株価は8.5ポンドから10ポンド超に。今年は新型コロナウイルスの影響で再び大きく落ち込んでいる(5月8日時点で約6ポンド)。
リード氏の昨年の短期インセンティブは最大額の55%で、長期インセンティブは15%に過ぎなかった。WPPの収益と株価が5年間にわたって下落していることによる。
2018年4月まで32年間CEOを務めたマーティン・ソレル卿は、いまだに長期インセンティブを受け取っており、51万7000ポンド相当の株式報酬を得た。
また、リード氏がグループの経営改革のために設置した役員会のメンバーを初めて公表。ソレル卿がCEOを務めていた時には役員会や取締役会は設けられていなかった。
年次報告書は「WPPの役員会は責任を持って会社を牽引し、施策を実行していく」とし、メンバーがグループの中核企業において先導的・中心的役割を担っていくとしている。
リード氏以外の役員会のメンバーは以下の通り。
- ジョン・ロジャース(WPP CFO<最高財務責任者>)
- アジャズ・アーメッド(AKQA CEO)
- ステファン・アラン(メディアコム ワールドワイドチェアマン兼CEO)
- ジャッキ・カニー(WPP CPO<最高人材活用責任者>)
- ジョン・クック(VMLY&R グローバルCEO)
- メル・エドワーズ(ワンダーマントンプソン グローバルCEO)
- ニック・エメリー(マインドシェア グローバルCEO)
- ローレン・エジキール(WPP CMO・CGO<最高マーケティング・成長責任者>)
- リチャード・グラッソン(ホガース グローバルCEO)
- アンドレア・ハリス(WPP 主任顧問)
- マイケル・ハウストン(グレイ グローバルCEO)
- ドナ・インペラート(BCW グローバルCEO)
- トビー・ジェナー(ウェイブメーカー グローバルCEO)
- クリスチャン・ジュール(グループM グローバルCEO)
- リンゼイ・パティソン(WPP CCO<最高クライアント責任者>)
- ステファン・プレトリウス(WPP CTO<最高技術責任者>)
- アンドリュー・スコット(WPP COO<最高執行責任者>)
- ジョン・セイファート(オグルヴィ グローバルCEO)
(文:ギデオン・スパニエ 翻訳・編集:水野龍哉)