自社サービスが観光業界で存在感を高めている中、Airbnbはグローバルのコンテンツを展開するのではなく、日本向けコンテンツを制作。「ホスト(旅行者を自宅に宿泊させる人)として旅行客を自宅に受け入れる」という日本人には新しいサービスに、実感をもたせている。
社内チームで制作されたこの動画には、ゲストとの交流を思い思いに楽しむ3人のホストが登場。「お母さんと慕ってくれることが嬉しい」と語る女性、地域振興の一環として取り組む若い夫婦、イベントを企画して提供する起業家と、さまざまなホストが自らの心温まるエピソードを語る。
Airbnbによると、日本は「スーパーホスト(宿泊者からの評価が高い優秀なホスト)」の人数が世界の中でも多い国だが、そのホストの多くは都市圏に集中している。同社はホストの品質が高い日本において、地方での拡大を目指しており、今回の日本市場向けコミュニケーションがサービスの浸透に一役買うか、今後が期待される。
Campaignの視点:人と人との交流がベースになっているサービスにおいて、実際のユーザーの声を紹介する取り組みは非常に重要である。また、昨今の国内における「民泊」問題から生活者が抱くイメージを、このようなコンテンツで補っていくことは、2020年に向けたブランディングに欠かせない。しかし、アーリーアダプター以外にとってサービスの全体像にまだ不明瞭な部分がある日本市場では、今回の動画以外にも、今後サービス自体を紹介するコンテンツの存在が望まれているともいえる。今回の動画をきっかけに、日本市場に合わせたコンテンツが制作されるか、引き続き注目したい。
(文:土山美咲 編集:田崎亮子)