1.アクセンチュア、マセラティ初のグローバルエージェンシーに
高級自動車ブランドのマセラティは、デジタル上の顧客体験の強化と世界市場での売上増大、ブランドエクイティ向上のためにアクセンチュア・インタラクティブをパートナーに選んだ。マセラティのマーケティング予算はこれまでと規模は変わらない。同社がグローバルなクリエイティブエージェンシーと協働するのは初めて。マーケティング責任者のジェイコブ・ナイボルグ氏はCampaignに対し、「我々は既にニッチブランドを脱皮した。今後は統合的なアプローチが必要であり、特にデジタルの分野はそうだ」と語った。
2.「ユーチューブの問題は悪化する」とアナリストが警告
ユーチューブ上で子どもを不適切に扱ったコンテンツに広告が表示 −− 英タイムズ紙のこの報道を受け、ロンドンを拠点とする投資銀行リベルム(Liberum)の広報担当者は「ユーチューブがこの問題を収拾できるとは思えない」と語った。「危険なコンテンツを探し出して削除する能力が、アルゴリズムにかけている。不適切なコンテンツは今後も増えるだろう」。アディダスやアマゾン、ディアジオなど多くの広告主が既にユーチューブ上でのキャンペーンを取りやめており、更に多くの企業が同調すると見られる。
3.「ブランドの安全性」への危惧にもかかわらず、プログラマティックバイイングは順調
調査会社ゼニス(Zenith)は年次報告書「プログラマティック・マーケティング・フォーキャスト(Programmatic Marketing Forecast) 」の中で、世界のディスプレイ広告は2019年までに70%近くがプログラマティックを利用したものになると発表した。この分野で最も進んでいるのは米国で、ディスプレイ広告の81%は既にプログラマティック。テレビやラジオ、ビルボードといった従来型の広告でも、広告支出全体の6%がプログラマティックによるものだ。
4.英広告代理店では「安売り競争」が激化
メディアを専門とする会計事務所キングストン・スミスは、英国のトップ50を構成する広告代理店が、手数料収入の減少や人件費高騰にもかかわらず、年平均の営業利益率が昨年の9.9%から10.4%に伸びたと発表した。だがこれら代理店は同じ手数料でより多くの仕事を引き受け、新たなクライアントには過剰な値引きを提案しているといい、「長期的には持続性がない」。経営が健全な代理店は「営業利益率が15〜20%であるべき」とも述べている。
5.大手たばこメーカーが遂に出した「警告」
米国政府がフィリップモリス、アルトリア、ロリアード、R.J.レイノルズといったたばこメーカーに喫煙の危険性を明確に伝える広告を出すよう命じたのは、今から10年以上前のこと。やっとそれが実現したのだが、そのテイストは限りなく味気なく、後ろめたさもまったく感じられない。米政府当局はたばこメーカーに対し敵対的と言える姿勢を取るが、市場への規制が極めて軽い日本の状況とは対照的だ。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)