ピュブリシス・ワンのアジアCEO、シンガポールへ
東京で勤務するピュブリシス・ワンのアジアCEO、ニコラ・メナ氏が来月シンガポールへ異動することになった。2016年からアジア全域を統括する同氏は、今後も同じ責務を担っていく。同社の主要クライアントの多くがシンガポールにアジア本社を置くため、利便性を考慮したものと見られる。メナ氏は2007年、現在ピュブリシス・ワン傘下にあるビーコンコミュニケーションズの社長に就任。日本在住を引き続き望んでいるというが、東京の地理的ロケーションはアジアの管轄に不向きとされている。
電通、更なる投資に前向き
電通ベンチャーズが、特定のテーマへの少数投資を可能にする次世代型投資サービス「フォリオ」を提供するオンライン証券会社FOLIOに出資した。LINEも今週、FOLIOとの資本・業務提携を締結している。FOLIOは投資に不慣れな人々でも気軽に参加できる、資産運用の「バリアフリー」化が目標。投資プロセスを簡素化し、VRやeスポーツといった多様なテーマを扱うのが特徴だ。電通は今後FOLIOのマーケティング活動もサポート。倹約志向の強さで知られる日本の消費者に新たな資産運用の機会を提供することは、市場の潜在性を広げると電通は読んでいる。
ユーチューブ、動画ルールを厳格化
ユーチューバーとして名を馳せるローガン・ポール氏が青木ヶ原樹海の死体動画を投稿し強い非難を浴びているが、この失態を受けてユーチューブは広告ルールを改定した。「パートナープログラム」に参加できるクリエイターは、1年を通じ少なくとも1000人の登録者と4000時間のビューを獲得しなければならない。これによって規範が改善されると同社は表明したが、再び醜聞が起きないという保証はない。真摯な謝罪にもかかわらずゴールデン枠の「グーグル・プリファード」から締め出されたポール氏は、最も人気が高い上位5%の投稿者の1人。1500万人が同氏のチャンネルに登録している。
フェイスブックの「家族」「友人」重視が、ブランドコンテンツを問う
アルゴリズムを変えて家族や友人の投稿を優先すると表明したフェイスブック。メディアプラットフォームとして既に確立したイメージを再構築し、草創期のポジショニングへの回帰を図るようだ。ただし当時からユーザーの慣行が甚だしく変化した今、そのイメージチェンジがスムーズにいくかどうかは予測できない。フェイスブックが慣れてしまった「あまり人間的ではない」測定法よりもユーザー体験の方が重要、と同社は投資家を説得する必要があるだろう。投資調査会社ピボタル・グループのアナリスト、ブライアン・ウィーザー氏はCampaignに対し「こうした動きは短期的にフェイスブックの成長やブランド、パブリッシャーに弊害をもたらす可能性が高い」と語る。「それでも、ユーザーの間で増幅しているネガティブな印象を抑えるために行動を起こすことは不可欠です」。結局のところマーケターは、フェイスブック向けのコンテンツをより注意深く作成し、メディアプランニングの腕も上げていかねばならないということだろう。
最も無視されるメールはロイヤルティプログラム
メールマーケティングのコンサルティングを専門とするリターンパス社が行った世界規模の調査によると、送られてきたメールを読む前に消去してしまう人々は12%で、そのうち最も多いのがロイヤルティ関連のメールだという。その比率は21%で、プロモーション用メールをやや上回る。つまり最も読まれていないメールなのだ。逆に一番読まれているのは商品購入後に送られるメールで(44%)、読む前に消去される平均的割合も最も低い(7%)。この調査は3000社が送った60万本のメールを対象に行われた。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)