Ryoko Tasaki
2024年4月25日

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

サードパーティCookie廃止の延期は3回目 グーグル

グーグルはChromeブラウザでのサードパーティCookieを2024年中に廃止する予定だったが、廃止時期を2025年に延期すると発表した。同社はすでに1%のCookieを廃止しているが、英国の競争・市場庁(CMA)や個人情報保護監督機関(ICO)など規制当局が懸念を示していた。サードパーティCookie廃止の延期は2021年6月と2022年7月にも行われ、今回で3回目となる。

グーグルは公式ブログで「私たちは引き続きCMAやICOと緊密に連携していくことに尽力し、年内にこのプロセスを完了したいと考えています。合意に達することができれば、来年初めからサードパーティCookieの廃止を進めると想定しています」とコメントしている。

テスラ、米国のマーケティングチームを解雇

米電気自動車メーカーのテスラが、同社初の広告制作を手掛けた成長コンテンツチーム全員を解雇したとブルームバーグ(Bloomberg)が報じた。40名ほどが所属するこのチームは、広告出稿を試すため約4カ月前に結成されたばかりだった。欧州の成長コンテンツチームは小規模ながら残るという。米カリフォルニア州ホーソーンにあるデザインスタジオでも、大幅な人員削減が行われた。

同社は今月、世界の従業員の1割以上を削減すると発表している。その後、イーロン・マスクCEOが社内宛てのメールで「一部の解雇手当が不当に低かった」、そして直ちに訂正したと述べた。

米国で大規模な解雇が行われている一方で、東京やパリではプレスリリース作成や翻訳、メディアリレーションなどを担当する広報・コミュニケーション職を募集した。

また、テスラの広告が普遍的だったと指摘するXのコメントに、マスク氏が「その通り。あまりにも普遍的で、どんな車にも当てはまるものだった」と返答している。

WWP傘下2社、レイオフに備えるよう社員に警告

今年7月にバーソンへと統合するBCWとヒル アンド ノウルトン(Hill & Knowlton)で、レイオフに備えるよう伝える社内宛てメモが送られた。バーソンのCEOに就任予定のコリー・デュブロワ氏と、グローバルチェアマンに就任予定のアンナマリア・デサルヴァ氏から送られたメッセージによると、「排除しなければならない領域を特定し、その多くは重複する役割」というのが理由だ。

「クライアントのために強いチームを構築しながら、雇用の喪失を最小限に抑えるという当初の約束のとおり、一部の社員を新しいポジションに配置することができました。しかし残念ながら退職する社員もおり、今後その知らせを耳にすることになるでしょう」。

コカ・コーラとマイクロソフト、AIやクラウド活用で5年契約

米ザ・コカ・コーラ・カンパニーが、マイクロソフトと5年にわたる戦略的パートナーシップを締結し、クラウドや生成AIに11億米ドルを投資すると発表した。Microsoft 365やPower BIなどへのアクセスの他、Azure OpenAIを顧客体験やマーケティング施策の向上に活用することも検討する。

両社は2020年に2.5億米ドルで5年契約を結んでいる。今回のパートナーシップ拡大は「新しいテクノロジーを活用したデジタルファーストの企業」を目指す新しい章の始まりだと、ザ・コカ・コーラ・カンパニーのグローバルCIOのニラジ・トルマレ氏は語る。

 

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

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