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クリックしなければ詳細が分からない、Xの広告フォーマット
X(旧ツイッター)が新しい広告フォーマットをテストしていることが、ユーザーからの報告で明らかになった。新フォーマットはブロックや報告ができず、「いいね」も再投稿もできない。通常の広告のように「プロモーション」の表記がなく、誰の投稿なのかも明示されていない。「おすすめ」フィードに表示され、クリックすると外部サイトへとリダイレクト(転送)されてしまうことから、まるでクリックを誘導する「クリックベイト」のようだ。
一例を挙げると、「信じられないでしょうが、ドバイでは毎日起こっています」という文言が、きらびやかな写真と共に投稿されている(下の写真)。クリックすると、自社広告だらけのコンテンツファーム(低品質なコンテンツを大量に作成・配信するサイト)へと飛ばされるという。
イーロン・マスク氏が買収したXは広告事業で苦戦しており、広告収入が最大5割減少した。リンダ・ヤッカリーノ氏がCEOに就任し、立て直しを図っている最中で、先日は「過去12週間で1500の広告主が戻りました」、さらに「上位100の広告主の9割が戻ってきました」と述べていた。だがメディア・マターズ・フォー・アメリカ(Media Matter For America)のレポートによると、戻ってきた上位100の広告主の広告支出は9割ほど減っているという。またマスク氏の買収以来、米国における毎月の広告収入が前年比で最大55%減っているとロイターは報じている。
アマゾン、広告サーバー事業を2024年末に終了
アマゾンは2024年末に、Amazon広告サーバーを終了すると発表した。同社は2019年5月末、サイズミック(Sizmek、同年3月に経営破綻)から広告サーバー事業と動的クリエイティブ最適化(DCO)事業を買収。買収した広告サーバー事業を「Amazon広告サーバー」として刷新し、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)やSSP(サプライサイドプラットフォーム)、クリーンルーム・ソリューションなどを提供してきた。
今後は「より包括的かつ柔軟で、耐久性のあるアドテクノロジー」の構築に投資していくと、同社広報担当者はコメントする。また、アマゾンが新たなにパブリッシャー向けのSSPを構築していることを、ビジネス インサイダーが求人情報から突き止めた。
メディア業界の変化、無視できない生成AIの台頭
電通が、今後1年で注目すべきメディアのトレンドをまとめたレポートを発表した。この中では、メディア業界に変化を起こすきっかけになる10項目を挙げ、それぞれについて解説している。
同社が今年9月にクライアントを対象に実施した調査で、マーケターの63%が生成AIの取り組みを開始していることが明らかになったように、本レポートでも10項目のうち3項目が生成AIに関連するものだった。
◆メディア業界 10のトレンド
- 生成AIによる検索の台頭
- 生成AIによるクリエイティビティー再考
- 生成AIによる最適化
- アプリの類似化
- 「ウォールドガーデン」は「ウォールドパイプ」へ
- 再び注目されるユーザーのアイデンティティー
- より多くの広告で、より多くの収益を
- メディアの多様化
- より安全で強力なデジタル環境を
- 広告効果の向上と、CO2排出削減の両立
【お知らせ】
Campaign Asia-Pacific主催「イベント・マーケティング・アワード2024」のエントリーが始まりました。早期エントリー締切は12月1日(金)、通常エントリー締切は1月23日(火)です。詳しくはこちら(英語)。
(文:田崎亮子)