Ryoko Tasaki
2022年8月05日

世界マーケティング短信:アマゾン、クラウドと広告が2桁増収

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:アマゾン、クラウドと広告が2桁増収

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

オンラインストアは2四半期連続で減収

アマゾンが先日発表した第2四半期の業績によると、売上高は1,212億米ドル(前年同期比7.2%増)で、20億米ドルの純損失となった。主力事業であるオンラインストアの売上高は509億米ドル(同4%減)だが、クラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と広告事業が好調で、売上高はAWSが197億米ドル(同33%増)、広告サービスが88億米ドル(同18%増)だった。

「現在も広告事業の大幅な成長が見られます」と語るのは同社のブライアン・オルサフスキーCFOだ。「消費者向けウェブサイトや動画、ツイッチ(Twitch)などで広告商品を増やしています」。昨年からは動画配信サービスでインタラクティブ広告を導入している。

もしも妊娠するのが自分だとしたら…?

米連邦最高裁判所が今年6月、人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆した。これに対する著名人や企業の反対意見の表明や、各地での抗議活動が活発で、州外で中絶手術を受ける社員の費用を負担する企業も出てきている。3日にはカンザス州で、人工妊娠中絶の権利を問う住民投票が実施された。

そんな中で英サーチ&サーチが、おなかの大きな男性が印象的な広告を再現した。基になっているのは同社が1970年に手掛けた男性向けの啓発広告「Pregnant Man」で、「もし妊娠するのがあなたならば、もっと気をつけますか?」というキャッチフレーズが添えられていた。今回の広告に登場する男性は米最高裁のサミュエル・アリート判事で、キャッチフレーズも「もし妊娠するのがあなたならば、もっと投票に気をつけますか?」に変更されている。アリート判事は7月末、最高裁判決を批判した外国首脳などをからかっていた。

福島民報社、130周年記念に未来の新聞を発行

福島民報社が創刊130周年に合わせ、特別紙面「2032年の福島民報」を8月1日に発行した。クリエイティブディレクターの箭内道彦氏が未来創造局長に就任し、10年後の福島県の様子をさまざまなコンテンツで表現。空飛ぶ大型バス(下の画像)や、3Dプリンターで作る人口浮島、限界集落をテーマパークとして活性化する案など、ウェブサイトでも一部の記事が公開されている。

スタンダードチャータード銀行にバラジ氏とファルザン氏

HSBCのアジア太平洋地域担当CMOを務めていたスレシュ・バラジ氏が、スタンダドードチャータード銀行に移り、CABM(コーポレートアフェアーズ、ブランド、マーケティング)ならびにCPBB(コンシューマー、プライベート、ビジネスバンキング)のグローバル担当責任者に就任する。バラジ氏はこれまでCampaign「パワーリスト」に2年連続で選出されている。

同行では他にも、トライコー・グループでマーケティングとコミュニケーションのグローバル担当責任者を務めたサンシャイン・ファルザン氏が、7月にCABMならびにCCIB(法人営業・コマーシャルバンキング)のグローバル担当責任者に就任した。ファルザン氏はCampaign「Women to Watch 2020」にも選出されている。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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