Joseph Arthur
2024年8月15日

五輪は「絶好の機会」 マーケター11人が語る、成果を上げる方法

多くのチャネルを自由に使えるようになった今、ブランドは世界的な注目を集める五輪を活用し、ますます多様化が進むオーディエンスを取り込む必要がある。

五輪は「絶好の機会」 マーケター11人が語る、成果を上げる方法

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

17日間にわたり熱戦が繰り広げられた2024パリオリンピックが幕を下ろし、28日からはパラリンピックが開幕する。

世界中で30億人以上の視聴者を集める五輪はマーケターにとって、ブランドを新しいオーディエンスにアピールする絶好の機会だ。しかし、非常に多くのチャネルが提供されているため、自社にとってどのチャネルが最も効果的なのかを判断するのは難しいかもしれない。

そこでCampaignの姉妹サイト「Performance Marketing Worldは11人のマーケターに、広告主がオリンピックマーケティングで成功する方法について聞いた。

“スポーツファンのコアな生の感情を引き出す絶好の機会”

 マイク・ファンティス氏

DACグループ(DAC Group) バイスプレジデント 兼 マネージングパートナー


“「五輪はブランドにとって、スポーツファンのコアな生の感情を引き出し、多様化が進むオーディエンスとのつながりを築く絶好の機会です。スケートボード、ブレイキン、サーフィンといったニッチなスポーツが加わったことで、マーケターは非常に限られた新しいオーディエンスや、サブカルチャーとの関係を築く手段を得ました。既にTikTokでアスリートが紹介した衣料品と、ファッションやライフスタイル、スポーツパフォーマンスのブランドとの間には、興味深いクロスオーバーがみられます。

ソーシャルメディアマーケティング、特にスポンサーシップの機会は、ブランドがスポーツと関わる上でますます重要な役割を果たすでしょう。7人制ラグビーを例にとると、アスリートたちのフォロワー数は比較的少ないですが、試合が進むにつれて急速に増えるでしょう。

オーディエンスの心に響くコンテンツを制作するデジタルネイティブなアスリートが次の波を作るため、早い段階で彼らと関わることをブランドには勧めます。多くのスポーツやアスリートには多額の資金が提供されていません。ブランドのアンバサダーシップは新進気鋭のスターを経済的に支援するのと同時に、そのスポーツ全体の知名度を高め、双方にとって公平な価値交換をもたらします。

今回の五輪では、未来の世界的スポーツスターの多くが注目されることでしょう。今こそブランドは、顧客の共感を長期的に得られるようなアスリートと互恵的な関係を築くべきです」。
 

“必ずしも大手ブランドのやり方で対抗する必要はありません”

ハンナ・トンプソン氏
キネッソ(Kinesso)UK&I アドレサブルプロダクト&戦略担当パートナー

「売上やクリック、ターゲットとなる消費者とのエンゲージメントを促進するには、ブランドは適切なタイミング、適切な環境、適切なコンテンツでオーディエンスと接する必要があります。

これまでのオリンピックは、期間中に世界中で30億人以上がテレビを視聴し、潤沢な予算を持つ大手グローバルブランドは主要な放送局やチーム、選手と提携することで、数百万人もの人々にリーチしてきました。しかし、誰もがそのような余裕があるわけではありません。

ただし、このような主要媒体以外にも、ソーシャルメディアで巧妙なターゲティングを使用したり、関連性の高い検索ワードやコンテンツによってブランドアセットやSEOのレベルアップを図るなど、オーディエンスにリーチするためのメディアアクティベーションは無数にあります。大きな成功を収めるために、必ずしも大手ブランドのやり方で対抗する必要はありません」。

“オーディエンスの反応を起こし、リアルタイムでつながれる絶好の機会”

アレックス・ブラウン氏
エッセンス・メディアコム(EssenceMediacom) 英スポーツ・エンターテインメント部門責任者

“「オリンピックの開催に伴い、ブランドもアスリートも最高のパフォーマンスを発揮しようとします。0.02秒差と接戦だった男子100m平泳ぎ決勝など、緊迫した試合をいくつも目にしてきました。

ブランド側も、このような決定的なアドバンテージを得ようとしています。試合時間は欧州にとって都合が良いため、決定的な瞬間をとらえ、さまざまなオーディエンスや属性へのアピールがしやすいのです。

大きな歓喜や期待、繰り広げられるドラマなどは、オーディエンスの反応を起こし、リアルタイムでつながれる絶好の機会となります。アルディ(Aldi)、コカ・コーラ(Coca Cola)、ビザ(Visa)、オールウィン(Allwyn)などが強力なキャンペーンを展開しました。初期のアクティベーションは比較的おとなしかったようですが、多くの競技が始まるとブランドの施策も急加速するのを我々は目の当たりにすることでしょう」。

“オフィシャルスポンサーでなくても、五輪への参加は可能です”

 マット・ベネット氏

ウルトラ(Ultra) 共同設立者 兼 ECD


「オフィシャルスポンサーのリストに載らないブランドでも、五輪の熱狂に参加することは可能です。話題作りに際しては、国際オリンピック委員会が定める『ルール40』など大会の規則を理解する必要がありますが、このメガイベントと提携していないブランドでも、オフィシャルスポンサーに太刀打ちできる方法はたくさんあります。

スポーツの印象的な言葉を巧みに引用したり、五輪の文化的なインパクト(アスリートの熱意や勝利への情熱などが一体感を醸成するといった側面)に重点を置くなど、クリエイティビティーを発揮して注目を集めることが鍵となります。

しかし、一体感やパーパスを前面に押し出したメッセージで埋め尽くされる『同質性の海』に飲み込まれてはなりません。説教されたいと思う人はいません。スポーツの素晴らしいところは、ブランドがオリンピックの厳格な規則を破ることなく参加し、スポーツ以外の話題へと移ることができる点です」。

“ ロイヤルティーは、これまで以上に重要になります”

 ジョシュ・グラハム氏

エアタイム(Airtime) 共同設立者


「夏のスポーツイベントは、人々が一緒に祝福する機運を生み出し、小売業や接客業にとって後押しとなるはずです。今回の五輪はマーケターにとっても小売業にとっても、開幕前から大会期間中、閉幕後にわたってスポーツファンを魅了する絶好の機会を提供します。

現在の環境下において、ロイヤルティーはこれまで以上に重要になります。ホスピタリティー業や小売業には、ファンが留まってくれるか、あるいは離れてしまうかに関わらず、クリエイティブな発想で顧客にアプローチし、引き付けて維持するための特別な体験を提供できる素晴らしいチャンスがあります」。

“重要なのは、五輪の知的財産に関する厳しい規制に違反しないこと”

 リク・ムーア氏

ザ・カイト・ファクトリー(The Kite Factory) 戦略担当マネージングパートナー


「ニュアンスの違いこそありますが、全体として大きな可能性を秘めており、今回のように英国の夏時間との時差が少ない場合にはなおさらです。重要なのは、五輪の知的財産に関する厳しい規制に違反しないこと。これはいかなる知的財産管理にも当てはまることではありますが、五輪の場合は特に厳しく取り締まられます。当然のことながら、オフィシャルパートナーでなければ言えないことや、盛り込めないことはたくさんあります。

オフィシャルパートナーは早い段階からその権利を最大限に活用し、価値を高めようと尽力しているでしょう。そこで焦点となるのは、オフィシャルパートナーではないものの参入するチャンスがあるブランドです。大会期間中は毎日、魅力的なストーリーが豊富に提供されます。ブランドは、綿密に準備さえすれば、この機会を活用して関連性を示し、会話に参加することができます。

ここで成功するには、ブランドは承認の体制を整え、迅速に動けるようチームに権限を与える必要があります。そうすることで、興奮のるつぼに参加することができるのです」。

“ 複数のデジタル広告のフォーマットで、野心的なことを行う余地はある”

ミー・ライト氏
オートメイテッド・クリエイティブ(Automated Creative) 戦略部門グローバル責任者

「メディア消費の習慣が細分化していく中で、五輪のようなスポーツの祭典は大規模なビジビリティー(可視性)を獲得できる、またとない機会です。実際に多くのブランドが、ユーチューブで大規模なキャンペーンを展開するでしょう。

しかし複数のデジタル広告のフォーマットにおいて、もう少し野心的なことを行う余地はあります。今年は、より多くの機内広告が見られるのではないかと期待しています。それも、ライブ配信のクリエイティブに競技の点数や輝かしい勝利を反映させるだけでなく、コンテンツとのエンゲージ方法にも適応させるといったものです。

これは必ずしも新しいプラットフォームを必要とする戦略ではなく、アジャイルかつコネクテッドな方法で広告を適応させ、テストするという努力をブランドが粘り強くしていくものです。実際にはライブデータを追跡し、人々が最も反応するクリエイティブのタッチポイントを中心にキャンペーンを微調整していく必要があります。

このアプローチには多少の労力と予算が必要ですが、私たちの経験ではROIが通常5分の1程度向上し、非常に価値があります」。

“ストーリーテリングとブランドエンゲージメントのための、ユニークなプラットフォーム”

 ジュリアス・ジュダ氏

エイト&フォー(eight&four) クリエイティブ・ストラテジー・ディレクター


「五輪の世界的なリーチと感情面へのインパクトは、ストーリーテリングとブランドエンゲージメントのためのユニークなプラットフォームを作り出します。

五輪の視聴者が切望するのは、目を見張るような瞬間と、それを達成するアスリートの背景にある説得力のあるストーリー。このことは、大会に先駆けてネットフリックス(Netflix)で放映されたスポーツドキュメンタリー番組『スプリント:人類最速と呼ばれるために』と『シモーネ・バイルズ 限りなき高みへ』が人気を博したことからも明らかです。

オリンピック精神、つまり卓越性や忍耐力、連帯感を体現するブランドは本当に際立ちます。対照的に、単に五輪を利用しようとするブランドはよく失敗に終わります。オーセンティシティー(真正性)は重要であるだけでなく、もはや不可欠なのです。

とはいえ、五輪をうまく活用するのは言うほど簡単ではありません。厳しい制約が課されている状況下で勝つには、クリエイティビティーが必要です。2012ロンドン大会でナイキ(Nike)が世界中の『ロンドン』と呼ばれる場所のアスリートを巧みにフィーチャーし、数々の制約がある中でアディダス(Adidas)よりも話題となったのはその好例です。

ソーシャルメディアは、広告にとって大きな可能性を秘めています。五輪の瞬間やストーリーを、そのブランドらしい方法でとらえてシェアすることに、焦点を当てるべきです。リアルタイムでオーディエンスと関わり、反応し、共感を呼ぶコンテンツを制作し、コミュニティー意識を醸成しましょう。

五輪の本質と調和するブランドはビジビリティーを高め、オーディエンスとの強いつながりを築くことができます」。

“五輪はブランドにさまざまな切り口を提供します”

トム・ストーン氏
リ:アクト(re:act) 共同設立者

「パリ五輪の広告は、比類のない世界的なリーチと、多様なオーディエンスを引き付けることから、非常に大きな可能性を秘めています。ブランドや企業が何百万人もの人々とリアルタイムで関わることができる機会であり、広告の最高のプラットフォームとなります。

競技速報の興奮を活用したり、選手たちの個人的なストーリーにまつわるナラティブを作ったりと、五輪はブランドにさまざまな切り口を提供します。このダイナミックな環境によって、広告主はリアルタイムでのやりとりやイベント後のストーリーテリングなど、さまざまなレベルで共感を呼ぶキャンペーンを作ることができます。

さらに、五輪は幅広いオーディエンス層との会話を生み出し、ターゲティング広告のための豊かな環境を提供します。私たちが最近、消費者心理と五輪に関する調査を実施したところ、25~34歳の回答者の約3分の2(62%)が、五輪のような人気イベントの期間中にはソーシャルメディアを通常よりも使用することが分かりました。

したがって、五輪と連携するブランドは、世界的な熱狂を活用してメッセージを関心の高いオーディエンスに幅広く届けることができます。この広範なリーチと、さまざまなオーディエンス層に合わせてメッセージをカスタマイズする能力とを組み合わせることで、パリ五輪の計り知れない広告の可能性が浮き彫りになるでしょう」。

“真の意味で集合的感情に投資ができる、おそらく最後の機会”

ジョシュ・ディキンズ氏
クリーチャー&ホワイト・クロウ(Creature and White Crow) コンサルティング責任者

「メディア環境が細分化し続ける中、おそらく五輪は真の意味で集合的感情に投資できる最後の機会となるでしょう。世界中が同時に観戦して、息が切れるような走りやゴールラインでの悲痛な思い、弱者の勝利などを目の当たりにします。

広告主にとって、この集団的感情は非常に強力ですが、うまく活用する必要があります。優れたブランドは、自国チームの勝利をありきたりの文言で祝う代わりに、自分たちも感情のジェットコースターを経験していることを示すでしょう。

パリ大会は、心から共感できるようなメッセージを発信することができる、貴重な機会です。ただスポンサーになって、支援や支持をするだけではなく、感じていることを示して人間らしく行動しましょう。成功の後追いでメッセージを発信するのではなく、その瞬間に発信しましょう。少なくともあと4年は、同じチャンスは得られないのです」。

“五輪は際立った存在で、ブランドに独占性や名声をもたらします”

トム・ジェント氏

ファウンダー・クリエイティブ(Founder Creative) クリエイティブ責任者


「飽和状態のスポーツ市場において五輪は際立った存在であり、ブランドに独占性や名声をもたらします。世界中が注目する五輪は、コアなスポーツファンとライトなファンの両方の心をつかみます。世界規模で大々的な露出があり、誰もが参加できるスポーツイベントです。

さらに、五輪が重点を置くのは努力とスポーツの卓越性。一見すると普通の人々が、超人的なことを成し遂げます。そして素晴らしいヒューマンストーリーは、現実離れしたスーパースター選手よりも、親近感を覚えやすいものです。

世界中のあらゆる国の選手が出場し、誰もが参加できる五輪は、ブランドにとって素晴らしいプラットフォーム。創設から100年以上を経た今でも、世界的なスポーツイベントなのです」。

 

提供:
Performance Marketing World

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