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TikTokがサービスを開始したのは2017年。わずか数年で一気に世界各地に拡散、現在はロンドン、ベルリン、ロサンゼルス、東京などを拠点に150の国と地域、75の言語に対応する。2019年10月には、iOS無料アプリとして世界一のダウンロード数を記録した(米モバイルアプリ調査会社『Sensor Tower』調べ)。
当日のイベント会場となったのは、渋谷のキャット・ストリートに2年前オープンしたトランクホテル。「ソーシャライジング」をテーマに掲げる新たな都市型ホテルは、まさしくTikTokにふさわしいスペースと言えよう。
今年のレビューでまず挙げられたのは、「コンテンツとコミュニティーの多様化」。ダンスと口パクという若年層主体だった初期のトレンドが大きく拡大し、教育やゲーム、スポーツ、グルメ、旅行、アートワークといった多彩なテーマのコンテンツが急増した。例えば教育は前年比で2,781%、ゲームは2,359%、スポーツは1,059%という驚異的な伸びを示した。
また、地方自治体との連携も新たな試み。横浜市と組んで実施した乳がん啓発のキャンペーンは総再生回数が1億回以上を記録した。加えて、ウィル・スミスやBTS、リース・ウィザースプーンといった一般ユーザーに大きな影響力を持つセレビリティーのアカウント開設や、スパイクスアジアでの受賞などに言及。世界での総ダウンロード数は15億回を突破した(Sensor Tower調べ)。
では、TikTokの特徴とは何か。クリエイティブ・ストラテジー・ディレクターの廣谷亮氏は、他のSNS5社との比較調査で「前向きな気持ちにさせる」(11ポイント増)「好きなコンテンツが多い」(36ポイント増)といったユーザーの印象を挙げた。「5G時代のmeme(ミーム)文化」(同氏)を牽引するプラットフォームなのだ。
クライアントのキャンペーン成功例も紹介された。まずはジョンソン・エンド・ジョンソンのマウスウォッシュ「リステリンホワイトニング」。同社が目指したのは「価値の啓蒙のデジタルシフト」で、歯が白くなる体験をオリジナルのダンスや歌でポジティブに表現してほしいと呼びかけた。結果、集まった動画の再生回数は3,200万、シェア数は8,700。他のプロモーションとも相まって、売上は30%アップした。「TikTokはユーザーが主体で、『ファン(fun)』を生む場所であることを実感した」(同社)。
また、サントリーは「クラフトボス ミルクティー」のクリエイティブコンテストを実施。「ユーザーのクリエイティビティーを最大限に活用し、新しいクリエイターを支援する姿勢が弊社と一致した」(同社)。最終的に400を優に超す作品が集まり、再生回数は3,900万、1本の投稿への「いいね」 は平均数2,500に達した。
TikTok Ads X Design Centerのヘッドを務める鈴木瑛氏は、現代を「広告が疑われる時代」と喝破。デジタルネイティブ世代(1990年代半ば〜2010年生まれ)を対象とした調査で、「マーケティングにだまされたくない」と回答した者が46%、また「広告は誇大表現」と考える者が62%、それに対し「不快感を覚える」者が38%だったことを指摘した。反対に、「リアルなものが信じられる」という回答は75%。来年へ向けてのキーワードとして、「オーセンティックであること」を挙げた。
「様々なSNSの誕生で、誰もが自分の発信したい情報を発信できる『機会の平等』が生まれました。しかし、その情報がどれだけの人々に見てもらえるかは発信者の知名度に依るところが大きい。アルゴリズムをベースにしたTikTokの場合は、『いいね』が多ければ知名度やフォロワーの数にかかわらず、自動的にユーザーに推薦される。『結果の平等』を実現しつつあるのです」(同氏)
そして新たなツールとして、クリッカブルスタンプの重要性を説く。「このスタンプをタップするだけで、検索しなくとも直接ブランドの特設サイトなどに行けるようになり、利便性が高まりました。メッセージを届ける媒介にすぎなかったUGCが、より広告的に変化したのです」。
技術・戦略の両面から、TikTokはより幅広いユーザー、クライアントへの普及を目指す。
(文:水野龍哉)