電通がデジタルマーケティングのセプテーニ・ホールディングスと資本業務提携を締結したと発表した。TOB(株式公開買い付け)により20.99%の株式を取得する。取得総額は69億円になる見通しで、買い付け期間は12月11日までの予定。
セプテーニは東京証券取引所ジャスダック上場。1990年、人材コンサルティング会社としてスタートし、2000年に現在の中核事業であるインターネット広告を始めた。ほかにもソーシャルメディアマーケティングやアプリ開発、マンガコンテンツの制作に注力する。
電通は公開買い付けに関する文書の中で、電通デジタルの競争力強化を挙げる。顧客の抱える「経営課題や事業課題は複雑化」しており、ビジネスデザインやクライアントマネジメント、事業開発でのサービス力強化を掲げる。その一環としてCRM(顧客管理)やマーケティングオートメーション、データベースコンサルティングといった顧客の事業課題解決に向け、テクノロジー面の向上を図る。
更に、セプテーニが成熟市場への対応とコモディティ化という課題に直面し、電通は約6000社の顧客チャンネルを有することに言及。今後はネットマーケティング事業における販売・コンサルティング・クリエイティブ力の強化、インターネットメディアの開発・強化、マンガコンテンツ事業のプロモーション、セキュリティー対応などのシステム面、M&Aなどを含めた投融資資金などでセプテーニに投資を行っていく。
セプテーニは2016年、東南アジア市場におけるリーチ拡大のためマレーシアを拠点とするデジタルクリエイティブエージェンシー「ライオン&ライオン(Lion&Lion)」を買収した。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)