Ryoko Tasaki
2020年9月11日

世界マーケティング短信:クリエイティブの需要

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

アクネが2017年に手掛けた、イケアのSNSキャンペーン。「絵に4.5億米ドルもつぎ込んだにもかかわらず、フレームが気に入らないとき」の案として、レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」に同社の9.99米ドルのフレームを合わせている。
アクネが2017年に手掛けた、イケアのSNSキャンペーン。「絵に4.5億米ドルもつぎ込んだにもかかわらず、フレームが気に入らないとき」の案として、レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」に同社の9.99米ドルのフレームを合わせている。

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

デロイト・デジタル傘下のアクネ、欧州で新拠点を続々開設

コロナ禍で世界的に景気が後退し、主要な広告会社大手はこの夏、2桁減収を記録した。だが、デロイト・デジタルが3年前に買収したスウェーデンのクリエイティブエージェンシー「アクネ(Acne)」はミラノ、ローマ、リスボン、ダブリンにオフィスを開設する。同社は既にストックホルム本社の他、ロンドンとベルリンにも事務所を構えている。

デロイト・デジタルは買収以来、アクネをコンサルティング会社へと変えたとのこと。グローバルCCOであるアンドリュー・サンドス氏は「欧州全体でクリエイティブコンサルティング会社への需要が高まっています。オフィス新設により、クライアント企業にはアクネのクリエイティビティの恩恵を受ける機会がもたらされます」と語る。
 

景気回復が最も遅いのは広告業 PwC報告書

PwCは先日、2020~2024年のエンターテインメント&メディア業界を予測する報告書を発表した。消費者と広告主の支出動向を調べた同報告書では、エンターテインメント&メディア業界は2020年、前年比6%減となる見込み。景気の落ち込みからの回復が最も遅いのは広告業界で、2019年水準まで戻るのは2022年とみられる。2024年までの期間に、インターネット広告が最も急成長する市場はインド、インドネシア、ベトナムと、すべてアジア太平洋地域とのことだ。
 

発表から約1年経つ合併計画が中心に

昨年10月にタブーラ(Taboola)とアウトブレイン(Outbrain)が発表した合併の計画が、中止となった。両社とも、コンテンツレコメンデーションをパブリッシャーサイトに提供するスタートアップ企業。「グーグルとフェイスブックの強力な競合相手となり、広告主にもっと有意義な選択肢を提供するため」の合併だと、タブーラのアダム・シンゴルダCEOは当時語っており、合併後の評価額は20億米ドルとなる予定だった。合併の中止について、両社から正式な声明は発表されていない。
 

スマートフォンで鑑賞する小さな映画館

中国のスマートフォンメーカー「オッポ(Oppo)」はロンドンのサウスバンクで、超小型の劇場を期間限定でオープンした。室内には同社の最新機種が設置され、リクライニングシートで映画を鑑賞できる。スナックを販売する自動販売機には、5G(第5世代移動通信システム)が搭載された。


ヤングスパイクス2021、エントリー開始

2021年度のヤングスパイクスコンペティションの課題と審査員が発表になった。今回はインテグレーテッド部門とフィルム部門の2部門について、オンラインのみでの開催となる。詳しくはこちら


ウサギが負けたのは、睡眠を軽んじたから…?

イケアが、イソップ童話「ウサギとカメ」をモチーフにした動画を公開した。友人たちと飲み、最終バスを逃したウサギは、家に帰りついてからも自撮りやギター演奏、動画鑑賞などを楽しむうちにソファーで寝落ち。一方、隣の部屋に住むカメはイケアのベッドで爽やかな朝を迎え、ゼッケンをつけて出かけるというもの。制作はマザー。

【お知らせ】

Campaign Asia-Pacificが主催する「Agency of the Year 2020」は、9月17日がエントリー締切です。詳しくはこちら(英語)から。奮ってご応募ください!

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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