Ryoko Tasaki
2022年1月21日

世界マーケティング短信:ブランドのパーパスと利益

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:ブランドのパーパスと利益

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
 

ユニリーバ大株主「パーパスよりもビジネスの基本にフォーカスを」

ブランドのパーパス(存在意義)を積極的に配信しているユニリーバが、その姿勢を投資家のテリー・スミス氏から批判された。マヨネーズブランド「ヘルマンズ」のパーパスを示すことよりも「ビジネスの基本にフォーカスすべき」と主張する同氏は、投資家向けレターにこのように記した。

「ヘルマンのマヨネーズのパーパスを示すべきという同社の考えは、本筋を見失っていると我々の目には映ります。ヘルマンというブランドは1913年から存在しており、消費者はそのパーパス(ネタバレ注意:サラダとサンドイッチ)をもう理解していると思います」。

同氏が率いるファンドスミス・エクイティ・ファンドはユニリーバ株を約8億8800万ポンド保有するトップ10の大株主だが、特にパフォーマンスが芳しくない5社のうち、一つがユニリーバだという。それでも「強いブランドと流通は最後に勝利すると考えている」ことから、今後もユニリーバ株を保有し続けると結論付けた。

 

ニュースソースの信頼度が低下 エデルマン調べ

エデルマンの調査「トラストバロメーター2022」によると、オウンドメディアを除くすべての媒体において、ニュースソースとしての信頼度が過去10年間で低下している。信頼度の低下が特に著しいのはソーシャルメディアで、ニュースソースとして信用できると回答したのは世界中でわずか37%(前年から8ポイント減)だった。従来型メディアは57%(同5ポイント減)、検索エンジンは59%(同3ポイント減)であった。オウンドメディアは43%(同1ポイント増)。

即座に、あるいは1~2回で信じる情報源として、回答者が最も信頼を寄せるのは雇用主(65%)だ。以降に政府(58%)、出典の明らかなメディア報道(57%)、大手企業(54%)が続く。

 

消費者が選んだ広告コンクール 受賞作品が発表に

日本アドバタイザーズ協会が主催する「第59回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の結果が先日発表された。各部門のグランプリ受賞作品は以下の通り。

【新聞広告部門】

森永乳業/マウントレーニア「海に行けないみなさんに、海から会いにきました。~飛び出す癒し新聞から」

【雑誌広告部門】

味の素/企業広告「よくがんばりませんでした」

【テレビ広告部門】

九州旅客鉄道、西日本シティ銀行、LINE Fukuoka/九州新幹線「流れ星新幹線」

【ラジオ広告部門】

パナソニック/企業(音響システム)「Voice of Home 帰っておいでアナウンス(娘)篇」

【デジタル広告部門】

日本芸術実演家団体協議会/JAPAN LIVE YELL project「ライブのリレー」

【屋外・交通広告部門】

クロススペース/クロス新宿ビジョン「新宿東口の猫」

【経済産業大臣賞】テレビ広告部門

サントリーホールディングス/BOSS「宇宙人ジョーンズ・宇宙人からのアドバイス篇」

 

ハイプビーストの日本法人MDに岡田ジョシュア雄一郎氏

ハイプビースト(Hypebeast)の日本法人のマネージングディレクターに、岡田ジョシュア雄一郎氏が就任した。日本オフィスを統括する他、新しいビジネスと戦略的成長を推進していく。ハイプビーストに入社する以前はADKで東南アジア地域のCGO(最高事業成長責任者)を務め、シンガポールに拠点を置いていた。ADK在職中にはトヨタモーターアジアパシフィックの事業を主導し、オリンピック・パラリンピックのブランドキャンペーン「Start Your Impossible: The Dual Heroes」にも携わった。

 

ウェーブメーカー、北東アジアと日本に新MD

ウェーブメーカー(Wavemaker)の北東アジア担当マネージングディレクターにアン・リム氏が就任する。日本と韓国の両オフィスを担当し、東京に拠点を置く。これまでシンガポール、北京、上海で上級職を歴任し、直近では中国市場で最高顧客責任者を務めた。日本市場のジェネラルマネージャーには前田涼子氏が就任する。

左から時計回りに:アン・リム氏、前田涼子氏、ヘ・リー氏(韓国オフィスの ジェネラルマネージャー)

 

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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