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マーケターの新卒採用支援プログラムが秋から開始
マーケターキャリア協会(MCA)は、大学生・大学院生を対象とした新卒マーケター採用支援プログラム「MCA 幸せな就活」を、10月より開始する。マーケティングで経営を改革する企業と、マーケターを志す学生の、幸せな出会いを創出することが目的。今年度の参画企業は横河電機、ポーラ、イトーヨーカ堂、ミツカン、パナソニックの5社。学生は、MCAと参画企業からマーケティング視点の提供などの支援を受けて課題に取り組み、優秀候補者はプレゼンテーションを行う。優秀者に選ばれた学生は、企業ごとのインターンや採用のプロセスへと移る。
日本ではジョブ型の採用がまだ定着していない。参画企業による記念講演でも、入社当時からマーケターを目指したものの別部署に配属されたという体験談や、社内でのマーケティングのポジションが低いこと、社会が大きく変わる中でマーケティングの重要性がますます高まっていることなどが語られた。
MCAは「マーケターの価値を明らかにする」というビジョンのもと、昨年3月に設立。10日にオンラインで開催された会員総会では他にも、MCA会員のキャリア構築を法人・団体などがサポートする新プログラム「MCAサポーターズ」についても紹介された。サポーター企業1社目となるパーソルと共に、優秀なマーケターのコンピテンシー(行動特性)を明らかにしていく。発表会の様子はこちらの動画で視聴できる。
英米の広告会社、黒人の半数以上が「職場は安全でない」
ストラテジスト集団「ザ・カレント(The Current)」が英国と米国で広告業界を対象に実施した調査によると、「職場は黒人にとって安全である」と回答した黒人はわずか47%であり、白人(93%)、ラテンアメリカ系(86%)、アジア系(78%)と大きな差が開いていることが分かった。ある回答者は「私たち黒人は、言って良いことと悪いことを心得て入社します。話し方や動作などを確認し、ある一定の話し方を心掛け、本心をさらけ出してはならないのです。これは特に新入社員やキャリアが浅い人に顕著です」とコメントしている。
また、経営層に黒人がいるかどうかも、大きく影響するようだ。勤務先企業の意思決定者の中に黒人がいると答えた者のうち92%は、職場は黒人にとって安全だと回答している。だが英国の回答者のうち64%は、そもそも自社には黒人の意思決定者が不在だと明かしている。
アフターコロナの広告業界、成長率は「平均以下」
クレディ・スイスがまとめたレポート「Ad Agencies, Beyond the Pandemic」によると、デジタルトランスフォーメーションの加速が進む中で大手広告会社の成長は「平均以下」であった。パンデミック後の広告界の長期成長率(中央値)はわずか1%となる見込みだ。収益の7割を占めるのはブランドコミュニケーションだが、その成長率はパンデミック以前と比較して2~3%ほど。広告会社のフィーに対する圧力や、クライアントの内製化などが原因として挙げられる。
新規プレーヤーが参入し、業界全体としては5~15%の成長ができている。だが、経営コンサルティング会社がトランスフォーメーション事業のマーケティング機会だととらえているのに対し、従来型の広告エージェンシーは成長率が一桁台に留まる。多くのクライアントがグーグルやフェイスブックへの広告予算を増やしており、中には直接取引を行う企業もあることから、今後特に苦戦を強いられそうなのはメディアバイイングのフィーとのこと。「コンサルティング会社だけでなく、さまざまな専門系独立機関やテック企業、マーケティング・テクノロジー・プロバイダーなどが参入し、今後は非常に多くの競合会社との激しい競争になるだろう」と同レポートは示唆する。
パナソニック、ソーシャルコンテンツパートナーにブレイブバイソンを任命
パナソニックは、国際オリンピック委員会・国際パラリンピック委員会の協力を得て開催する「SPORTS CHANGE MAKERS」のグローバルキャンペーンの、ソーシャル・コンテンツ・パートナーとしてブレイブ・バイソン(Brave Bison)を任命した。パナソニックは2019年、スポーツとテクノロジーであらゆる壁を超えるというテーマで学生からアイデアを募集し、ロサンゼルス、パリ、北京、東京にて予選を実施した。ブレイブバイソンは日本、米国、欧州、中国の複数のプラットフォームにまたがる動画シリーズの制作を主導する。
パーキンソン病患者が困りがちなことを可視化
ほどくのが非常に困難な靴ひも、注ぐときに震えるポットとカップ、覚えるのも入力するのも困難なパスワード――パーキンソン病を患うと、日常生活にどのような変化が起こり、何が難しくなるのかを、豪州の団体「Parkinson’s NSW」の動画が描き出す。制作はワンダーマン・トンプソン・オーストラリアとエアバッグ。
(文:田崎亮子)