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世界の広告市場は「史上最も高い成長率」
マグナ(Magna)の調査によると、2021年の世界の広告費は7100億米ドルに達し、22%近く増加した。今年6月に同社が予測した14%という成長率を大きく上回り、同社の調査史上で最も高い成長率だという。パンデミック前の4年間の平均成長率を上回っており、もはや「回復」を超えた「成長」といえそうだ。成長を牽引をしたのはデジタル広告(検索、ソーシャル、動画、バナー、デジタルオーディオ)で前年比31%増(パンデミック以前と比較すると46%増)。一方のリニア広告(テレビ、ラジオ、印刷媒体、OOHなど)は9%増で、パンデミック以前と比較すると90%の規模であった。
世界の中で最も成長率が低かったのはアジア太平洋地域で、広告費の成長率は16.5%(北米は25%、欧州・中東・アフリカは23%)、2022年には11.2%の成長を見込んでいる。
広告の環境影響、関心の高さに世代間格差
電通インターナショナルとマイクロソフト・アドバタイジングが19カ国で2万4000人に行った調査「The Rise of Sustainable Media」から、今後12カ月のうちに世界の消費者の59%は気候変動への対策をしないブランドを購入しない意向が明らかになった。また42%が、企業は製品や広告のフットプリントを提供する必要があると考えている。
広告界が及ぼす環境への影響も、関心が高まりつつある。77%の人々が、5年以内に、環境に配慮し持続可能な広告を実際に行っているブランドのみにお金を使いたいと回答している。特に、広告の消費が環境に悪影響を及ぼすと考えている人の割合は、ベビーブーマー世代で45%だったのに対し、Z世代は71%、ミレニアル世代は73%と、若い世代からの関心が高かった。
DV被害者の「初めて」をオンラインで追体験
タイの団体「Women and Men Progressive Movement Foundation(女性と男性の進歩的な運動財団)」が、家庭内暴力(DV)被害女性の「初めて」をオンラインで追体験できるサイトを立ち上げた。家の中にあるさまざまな物をクリックしていくと、勤務先のバーに客として訪れた男性と出会い、初めて撮った写真、初めてもらったぬいぐるみ、初めての合鍵……と幸せだったころのエピソードが語られていく。
しかし矢印を追っていくと徐々に「喧嘩をして初めて叩かれた」「謝ることなく、何事もなかったように求婚されて婚約指輪を渡された」と不穏になっていく。別れの手紙を置いて実家に身を寄せるが、訪ねてきた彼の「もう二度と傷つけない」という初めての約束を信じて戻る。しかし数日後には暴力はさらにエスカレートする――。
DVは一度きりでは終わらない。しかも2回目、3回目と次第にエスカレートすることも多い。同団体に助けを求める人は皆、被害を複数回受けているという。だからこそ、一度でも経験したならば助けを求めてほしいというのがメッセージだ。企画・制作はワンダーマン・トンプソン・タイ。
おなじみのイケア製品、名前の由来は…?
スウェーデン生まれの有名な企業といえば、イケアを思い浮かべる人は多いだろう。手ごろな価格で購入できる家具や雑貨は、幅広い人気を誇る。だが同社の製品があまりにも世界的に有名であるために「少し問題が起こっている」と切り出すのは、スウェーデンの観光協会による動画だ。
イケア製品の名前には、スウェーデン各地の名前にちなんだものも少なくない。特にトイレブラシ「ボルメン」は美しいボルメン湖の名前からとられており、「イケアがこの湖にちなんだ名前をつけたことは光栄なのですが、思い浮かべてほしいのは澄んだ水と美しい環境であって、掃除が必要な水洗トイレではないのです」と、動画に登場する女性は嘆く。
さらに、このトイレブラシは「氷山の一角に過ぎない」と、さまざまな商品の写真と、その名前の由来である風光明媚な景色が次々と写し出されていく。企画・制作はフォースマン&ボーデンフォース。
スパイクスアジア2022、審査員を発表
スパイクスアジア2022の審査員106名がこのたび発表された。同アワードは現在エントリーを受付中で、締切はシンガポール時間の2022年1月20日 午後11時59分(日本時間の21日 午前0時59分)。詳しくはこちら。
エージェンシー・オブ・ザ・イヤー2021の結果が発表に
Campaign Asia-Pacific主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー2021」が発表された。日本・韓国で最も目立った成績を上げたのは、アクセンチュア インタラクティブとチェイルであった。詳しくはこちら。
(文:田崎亮子)