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クルーズ船のストックフォトに多様性を
クルーズ客船を運行するセレブリティー・クルーズ社が、多様性にフォーカスした画像ライブラリを公開した。人種やエスニシティ、性的指向、年齢の異なるさまざまな人々がクルーズ船の旅を楽しむ様子を、アニー・リーボヴィッツ氏をはじめとする写真家がとらえた。現在は100枚の写真を公開しているが、今後さらに追加していく予定だという。
ライブラリを制作した理由について、同社のマイケル・シュタイナーCMOは「旅行のストックフォトは古くてジェネリックで、旅行するすべての人々を表現したものになっていなかったため」と語る。「多様なイメージを当社ウェブサイトやソーシャルメディアで使うよう、常に心掛けてきました。しかし、自分たちだけでなく旅行業界全体のために、もっとできることがあるのではないか、そしてやるべきではないかと考え、このオール・インクルーシブ・フォト・プロジェクトを立ち上げました」。
ストックフォトに映し出されるイメージに偏りがあることは、ナターシャ・マーシュ氏(ジャーナリスト)も指摘していた。「黒人の写真は数が限られているだけでなく、5枚の写真があちこちで使いまわされていることに気付きました」。旅行、オフィス、ダンス、染髪といった単語で検索すると、白人の画像ばかりが表示されるという。「黒人だって旅行が好きで、オフィスで働いてもいます。踊ることも好きですし、髪型も試行錯誤しています。なぜそれが表示されないのでしょうか」。
スナップ、手話に親しめるレンズのCMを放送
スナップ(Snap)は、先日開催された第94回アカデミー賞授賞式に合わせ、指文字をテキストに変換するARレンズ(フィルター)を題材にしたスポットCMを放送した。米国手話(ASL)を使って「おめでとう」と伝える聴覚障害者が登場する。聴覚障害を持つ家族の中で唯一の健聴者である少女を描いた映画『Coda あいのうた』が同賞にノミネートされたことに触発され、CM制作が決まったという。
ARレンズの開発に携わったのは、聴覚障害を持つ社員のネットワーク。「あらゆる人が、人とのつながりを作れるようにすることが大切だと考えています。だから、障害者と健聴者の間に言語の平等性を確保することに、情熱を傾けているのです」とCMOのケニー・ミッチェル氏は語る。
ニールセン、投資家連合に売却へ
マーケティングリサーチ世界最大手のニールセンが、プライベートエクイティーに約160億米ドル(約1兆9552億円)で売却されることが明らかになった。買収するのは、米エリオット・マネジメント傘下のエバーグリーン・コースト・キャピタルが率いる投資家連合。ニールセンは以前にも90億米ドルでの買収を打診され、過小評価されているという理由で拒否していた。
ニールセンはパンデミック期間中に全米視聴データを過小評価していた問題で、昨年夏に米メディア測定評議会(MRC)から認証を取り下げられ、苦境に立たされている。だがクロスメディア測定を実現するNielsen One(ニールセン・ワン)を開発したことで、同社が測定の領域で再び優位に立つとエバーグリーン・コースト・キャピタルはみている。
PR施策のKPIに変化 Releasd調べ
リリースド(Releasd)が2015~2021年のKPIの傾向について分析し、PR施策の測定メソッドの進化を明らかにした。同社が調べた10万点を超えるPRレポートからは、コミュニケーションをいかに計画し、実行に移したかに注目するアクティビティーベースのKPIが増えてきているという。アクティビティーベースのKPIを載せたレポートは、2015年には全体の約2割しかなかったが、2021年には約8割にまで増えている。
リーチやメディア掲載数といったアウトプットベースのKPIはこれまで主流だったが、本当に届けたいターゲットにしっかり伝わっているかを測れないことが課題になっている。一方で注目を集めているのは、コミュニケーション施策を受けてオーディエンスがどのような行動を起こしたかを測るアウトテイクベースのKPIで、87%(2015年)から94%(2021年)へと増えている。
落書きを活用したOOHキャンペーンでセルフチェックを啓発
精巣がんを早期発見するため、セルフチェックを促す屋外広告キャンペーンがチリで展開されている。屋外広告だが看板を一つも立てず、代わりに活用したのが落書きだ。「触って、繰り返して、チェック」とセルフチェックの方法が書かれたシールを街中の落書きに貼り、インスタグラムで公開している。公式アカウントにはフィルターも用意した。広告主はチリ国立がん研究所、企画・制作はマッキャン・サンティアゴ。
イベント・マーケティング・アワード 受賞者発表
Campaign Asia-Pacific主催「2022イベント・マーケティング・アワード」の受賞作品がこのたび公開された。グランプリを獲得したのは資生堂が香港で展開したアルティミューン3.0「パワフル・ハートビート・エクスペリエンス」。その他の受賞作品一覧はこちら(英語)。
(文:田崎亮子)