1. 楽天と携帯電話事業
楽天が安価な携帯電話をうたい文句に事業参入を表明したことは、既存の大手3社にとって大きなインパクトとなる。これら大手はこれまで長い間、決して素晴らしいとは言えぬサービスで極めて高い通信料金を利用者に課してきたからだ。今後は消費者に真の価値を明示する必要に迫られ、競争は確実に激化するだろう。
2. ウィーワーク(WeWork)
2月、ソフトバンクの後押しを受けるネットワーキング企業ウィーワークが都内3カ所にコワーキングスペースをオープンする。報道によれば、今後20カ所までスペースを増やす予定があるとか。コワーキングはまだ日本では比較的新しい概念だが、より柔軟な働き方を求める人々の増加につれ、需要も増大。同社のブランディングは注目度が高く、その戦略も期待値が高い。日本のスタートアップにとって朗報であることは間違いないだろう。
3. スラック(Slack)
11月に日本語バージョンを開始した米国のビジネス向けチャット及びプロダクティビティ・アプリのスラック。無料と有料、双方のサービスへの認知度と理解を高めるため、このほど広告キャンペーンを始めた。同社はアジア進出の先駆けとして日本を重要視。新しいテクノロジーに敏感と言われる日本市場の特徴に期待をかけるが、国内で既に浸透しつつあるチャットワーク(ChatWork)との競争に直面している。
4.ライザップ
このイノベーティブな日本企業は2017年に急成長を遂げ、ユニークなテレビ広告で極めて高い認知度を獲得した。その一方で、現在はブランドポジショニングの深化を目標に設定。単なる減量やフィットネスだけではなく、「自己啓発」全般をサービスとして扱うことを広めようと奮闘中だ。
5.ホームシェアリングと自転車シェアリング
2018年、ホームシェアリングを認可する新たな法令が発効するのに伴い、この業界も競争がより激しくなりそうだ。特に注目すべきは、楽天ライフルステイ(LIFULL STAY)。既にホームアウェイ(HomeAway)やブッキング・ドットコム(Booking.com)と提携し、短期滞在者に強いAirbnbに対抗すべく活発な展開を図る。しかしながら、ホームシェアリングのコンセプトはいまだ十分理解されておらず、その潜在性を生かすためにもより広範な啓蒙活動が必要だろう。同時に、現在多くの国内外企業が参入する自転車シェアリングも成長が見込まれ、多彩なマーケティング活動が繰り広げられそうだ。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)