ADKは今年度の第3四半期連結累計期間における営業利益が、前年同期比9.2%増の46億円(4040万米ドル)になったと発表した。国内子会社の営業利益は3.2%減で5億300万円(440万ドル)。
連結売上高は0.6%増の2586億円(22億ドル)で、売上総利益は5.2%増の394億円(3億4600万ドル)。
短信では、テレビ広告と共にデジタル広告が増収の原因になったと解説。デジタルの売上高は22.2%増の182億円(1億6千万ドル)で、総売上高の構成比で8%。これに対しテレビの売上高は6.3%増で1169億円(10億ドル)、構成比は50.4%。
マーケティング・プロモーションは大きく落ち込み、15.4%減の383億円(3億3700万ドル)。国内子会社のADKインターナショナルとそのコンテンツビジネスが不振だったことにも触れている。昨年買収したアニメ制作会社ゴンゾ(Gonzo)は、業績予想を下回った。
国内で広告制作を手がけるADKアーツとメディアレップのADDCは、売上高を増やした。
業種別売上高では、自動車・関連品が33%減で総売上高における構成比が4%。38.9%という最も大きな伸びを示したのは家電・AV機器で、総売上高の1%を占めた。
海外ビジネスは堅調で、アジアや中国、欧州、米国で前年同期比の利益を上回り、総売上高の8.6%となった。前年同期は7.5%だった。通年の連結業績予想における営業利益は62億円で、2016年と比べて12%増。
ADKは現在進行するベインキャピタルによる株式公開買い付け(TOB)について、繰り返し賛意を表明している。米投資ファンドのベインはADKの筆頭株主であるWPPの反対にもかかわらず、13億5千万ドルで買収策を進める。これまでWPPは、ADKのアニメビジネスなどへの投資を痛烈に批判。ベインの株式公開買い付けは11月21日までとなっている。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)