Ryoko Tasaki
2021年11月19日

アワード獲得に躍起になるエージェンシー、もしも一般人だったら?

名だたる広告賞での受賞は、クリエイターにとって大きな目標の一つ。だが賞獲得を狙って突っ走り、広告の本来の目的から逸脱していく様子を、一般人に置き換えてみると……?

ライフガード賞を獲りたいから、あなたを救ったように見せるため人工呼吸をしてもいいか? 心臓外科医オブ・ザ・イヤーを狙っているので、心臓の開胸手術をさせてもらえないか――。広告賞獲得にこだわり、あの手この手でクライアントを巻き込もうとするエージェンシーの様子を一般人に置き換えて、皮肉たっぷりに描く動画をズールー・アルファ・キロ(Zulu Alpha Kilo)が公開した。

タトゥー・オブ・ザ・イヤーを受賞したいから「今からあなたにタトゥーを入れてもいいか?」と薦める女性は、「応募できるカテゴリーを7つ見つけたし、あなたの家族のブランドにも非常に良いはず」と熱心に説く。

クッキーを500個買ってほしいと頼む少女たちは「完全にプロボノ(公共善のための活動)で、エントリーフィーも私が持つから」と交渉し、断られると「せめてケースフィルムで使う写真のため、この空箱を重そうに持って」と食い下がる。

犬の散歩代行事業を宣伝させてもらえないかと打診して断られた女性は、「カルチャーに影響を与えようとしているの」と説得。中には、実績自体を捏造してしまおうかと言い出す人も……。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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