
世界最大のマーケティングサービス持ち株会社の経営から退いたソレル氏だが、これが彼のキャリアの終止符ではない。
ニューヨーク市で開催されたカンファレンス「Techonomy NYC 18」に登壇した同氏は、引退するつもりはなく、心機一転やり直す考えであると語った。
デイビッド・カークパトリック氏(テコノミー創業者兼CEO)に今後の予定を聞かれたソレル氏は、「希望退職も定年退職もしませんよ」と発言。「再出発したいと考えています」
詳細な内容についてカークパトリック氏が聞き出そうとしたものの、ソレル氏は「いや、これ以上はもう言いません」と、何も明かさなかった。
だが、テクノロジー企業やメディア、経済、トランプ米大統領に関する質問に回答する中で、今後の展望についてほのめかした。
WPP辞任について触れたのは、講演の終盤のこと。従来型の広告ビジネスの未来について、来場者から質問され、これに同氏が回答した。
「WPPを離れてから、(従来型の広告ビジネスの)どの領域において成長が見込めるか、そしてどこに課題があるのか、より明確になりました」とソレル氏。「従来型の広告ビジネスが、再構築を果たせないとは思いません。可能なはずですし、可能になっていくのだと思います。持ち株会社の経営者たちは愚かではないので、皆このことをよく理解しています」
ソレル氏は、「個人的な不正行為」と会社資産の使用に関する調査をWPP取締役会が開始後、4月14日に辞任。両者とも、調査や申し立てについて詳細を公表していない。
(文:トーマス・ムーア 翻訳・編集:田崎亮子)