「アジアのトップ1000ブランド」は、アジア太平洋地域(APAC)の14市場を対象に、15の主要カテゴリー(製品・サービス別)で行われた。調査を実施したのは、世界がコロナ禍に覆われて1年以上経った今年4月。言うまでもなく、この間に消費者行動は著しく変化し、デジタルエクスペリエンスの比重はかつてないほど増した。こうした特異な状況下で、どのようなブランドが消費者に強いインパクトを残したのか。
今年の調査は、査定方法などを若干変更した(詳細は下に記載)。その結果、トップ1000に新たにランクインしたブランド数は213。中でも、アジア発のブランドは過去最多を数えた。因みに、昨年は新たにランクインしたブランド数は53だった。
では、今年の総合ランキングを筆頭に、いくつかの視点から調査結果を見てみよう。
- アジアのトップ1000ブランド
- 各市場におけるトップ100ブランド
- 各ブランドのランキング推移(2004〜21年)
- 各ブランド、ランキング推移の比較(2004〜21年)
- 分野別に見るブランドのランキング推移
- ライバル関係にあるブランドのランキング推移
- 過去のアジア・トップ1000ブランド
今年、変更されたのは以下の点だ。
1. 定期購読者の優先
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2. デジタルエクスペリエンスの査定
今回の調査では新たに、最も優れたデジタルエクスペリエンスを提供するブランドについて尋ねた(他の質問は下に記載)。また、最も影響力を持つ自国ブランドについても引き続き尋ねた(この質問は3年前に追加)。こうした質問は、消費者がどのような基準でブランドを選択するのか、我々に新たなインサイトを与えてくれる。市場別のランキングは、近日中に詳細を発表する。
3. 市場規模の重視
APAC各市場の消費者の購買力をより忠実に反映させるため、中国・日本・インドといった巨大市場のランキングを重視、他市場よりも多くの回答者を設定した。過去数年間もこれらの市場の回答者は多かったが、今年はそれをより顕著にした。
調査方法
アジアのトップ1000ブランドは、Campaign Asia-Pacificとグローバル情報企業ニールセンIQが共同で行ったオンライン調査のデータを基に集計する。実施期間は2021年4月12日から30日までで、対象はオーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム(アルファベット順)の14市場。
各市場の回答者は400人ずつ。ただし市場規模とその重要性を考慮し、日本の回答者は800人、インドは1200人、中国は1600人とした。また、回答者の年齢、ジェンダー、世帯月収も考慮した。
カテゴリー
調査は以下の15の主要分野で実施した。
アルコール飲料、服飾雑貨、自動車、飲料、消費者用電子機器(AV・各種情報機器など)、運送、金融サービス、食品、家電製品、日用品、メディア・通信、レストラン、小売、スポーツ・エンターテインメント、運輸・旅行・レジャー
さらにこれらのカテゴリーの下に、80のサブカテゴリーを設定した。
カテゴリー及びサブカテゴリーは毎年、若干変更になる。例えば、今年は「宅配」というカテゴリーを「運送」の名称に改め、サブカテゴリーに「宅配」を加えた。また、複数の食品関連のカテゴリーを1つにまとめ、サブカテゴリーに「肉・シーフード・代替肉」を追加。「スポーツ・エンターテインメント」も1つのカテゴリーとし、サブカテゴリーには「ビデオゲーム」を加えた。格安航空会社と通常の航空会社も1つのサブカテゴリーとした。
調査参加者への質問
参加者への質問は、以下の通り。
1. この分野で最も優れたブランドは何だと思いますか? 「最も優れた」とは、最も信頼が置ける、あるいは評判が高いブランドを指します。
2. では、2番目に優れているブランドは何だと思いますか?
(文:Campaign Asia-Pacific編集部 翻訳・編集:水野龍哉)